SEOライティングは、検索エンジン(GoogleやYahoo!JAPANなど)で検索したときに上位表示することを目的として作成する文章のことです。ユーザーが検索したとき、コンテンツが上位表示していないと閲覧される機会も減少します。
コンテンツをユーザーに届けるためには検索エンジンで上位表示させるSEOライティングは不可欠です。
SEOライティングで準備すべきこと
SEOライティングをおこなう前に、検索エンジンが記事を上位表示させるための仕組み(アルゴリズム)を理解しなくてはなりません。
- ユーザーが読んで理解できる文章
- 検索エンジンが読んで理解できる文章
検索エンジンが記事を上位表示させるには、ユーザーが読んで理解できること、検索エンジンがコンテンツの内容を正しく理解できる文章であることが重要です。
ユーザーが読んで理解できる文章
検索エンジンで利用者の多いGoogleは、ユーザーをもっとも重視しています。記事などのコンテンツは、ユーザーがページを閲覧して疑問に感じたことを解決して、興味や関心を持てるようにするのが重要です。
記事は最初から最後までしっかり読み込んでもらえるとは限りません。ユーザーは短い時間で自分の知りたい情報を重要なポイントだけ知りたいと考えており、直感的に理解できる文章を好みます。
ユーザーの検索意図を理解する
コンテンツを閲覧してもらい満足してもらうには、ユーザーがなぜ検索するのか検索意図を理解しなくてはなりません。Googleはユーザーの検索意図を4つのクエリに分けられると述べています。
- Knowクエリ(何かを知りたい)
- Goクエリ(行きたい、見たい)
- Doクエリ(何かをしたい)
- Buyクエリ(何かを購入したい)
ユーザーは何を求めているのか、記事を閲覧することで悩みが解決できるのか、検索意図を理解したうえでコンテンツを作らなくてはなりません。
検索エンジンが読んで理解できる文章
コンテンツを上位に表示するにはユーザーの満足度が高く悩みを解決するサイトである以外に、検索エンジンにコンテンツを正しく読み取って評価してもらう必要があります。
検索エンジンのクローラーが巡回したときに正しく判断でき、正しい内容で評価するのかが大事なポイントです。検索エンジンがコンテンツをユーザーの悩みを解決するサイトであると認識しないと検索エンジンで上位表示されません。
SEOライティングの文章を書くときに意識すること
SEOライティングで文章を書くときに意識することは次の4点です。
- コンテンツの目的を把握する
- キーワードに沿った文章を書く
- 独自性をもたせる
- 専門性をもたせる
コンテンツの目的を把握する
SEOライティングで記事やコンテンツを作成する前に把握しておくべきことがあります。
- どのようなサイトに掲載するのか
- どのような目的で掲載するのか
- ターゲットとなるユーザーは誰なのか
- コンテンツを閲覧したあとにどうなってほしいのか
上位表示を目指すキーワードで、何をするために記事を作成するのかを決定します。さらにターゲットとするユーザーを決めて、ユーザーが閲覧前と比べてどうなってほしいのかを意識したコンテンツづくりが必要です。
キーワードに沿った文章を書く
ユーザーが検索しているキーワードに対して、最適な回答をコンテンツ内で表示することが重要です。ユーザーが検索するボリュームが大きいキーワードをもとにコンテンツを作成するとSEOにもつながります。
メインのキーワード以外にも、検索キーワードと一緒に出現する共起語のなかで関連性の高いものを含めて文章を書くとSEOの効果も期待できます。
独自性をもたせる
検索エンジンのクローラーは検索したコンテンツを評価するときに独自性があるのか判断します。クローラーは競合とコンテンツの中身が差別化されているか、コンテンツがコピーされていないか、重複コンテンツがないかチェックします。
コンテンツの独自性は、画像や動画や記事構成の視認性など文章以外にも独自性を出す方法はさまざまです。ほかに独自性をもたせるにはオリジナルの要素を取り入れるという方法もあります。
オリジナルの要素とはインタビューした内容を載せたり体験談を載せたりすると、独自性をもたせることも可能です。商品やサービスであれば実際に購入および利用した人にインタビューして内容を掲載すると、オリジナリティのある記事になります。
SEOライティングで記事に独自性を持たせるのが重要なのかは、Googleは次のように述べています。
今週、ウェブサイトの品質の評価方法に改善を加えました。今回のアップデートにより、ユーザーに有用で信頼できる情報を提供することよりも、検索結果のより上位に自ページを表示させることに主眼を置く、品質の低いサイトの順位が下がります。その結果、オリジナルで有用なコンテンツを持つ高品質なサイトが、より上位に表示されるようになります。
出典:「日本語検索の品質向上にむけて」(Googleウェブマスター向け公式ブログ)[1]
専門性をもたせる
コンテンツには専門性をもたせることも上位表示されるサイトの評価基準として重要なポイントとなります。1つのコンテンツに対して1つの内容を極めると専門性が高まるためGoogleにも評価されるコンテンツとなります。
Googleが専門性の高さを重視しているのは、「Googleが掲げる10の事実」でも紹介されています。
Googleが定める専門性とは
Googleは「Googleが掲げる10の事実」で次のように述べています。
1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
出典:「Googleが掲げる10の事実」(Google公式)[2]
複数のジャンルを広く浅く記載するよりは、1つのジャンルに関してとことん深く掘り下げていくのは専門性も高いとみなされ、Googleに評価されます。
E-A-TやYMYLとは
SEOではE-A-Tという基準が設けられています。
- Experience(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
英語の頭文字を取ってE-A-Tと呼ばれています。専門家が監修した記事は、専門性も高く信ぴょう性も高い記事として評価されます。YMYL(Your Money or Your Life、将来の幸福や健康、金融にまつわる情報のこと)の領域に関するコンテンツは、専門家が監修するなどのサポートがないと権威性が保たれないので上位表示が難しくなります。情報が間違っているとユーザーは損害を被るため、GoogleはE-A-Tを重視して評価しています。
SEOライティングにおける大事なポイント
SEOライティングで大事なポイントを紹介します。
- キーワードを選定する
- タイトルを決定する
- 導入文を書く
- 見出しの設定などマークアップを活用する
- コンテンツ内容を重視する
キーワードを選定する
コンテンツを作成する前にキーワードを1つの記事に対して1つ設定します。キーワードを決定するときは、選定するキーワードがどれくらい検索されているのか検索ボリュームと競合他社の記事をチェックしながら決定する必要があります。
キーワードを選定するのに役立つツール
キーワードを選定するとき、キーワードを選定するツールは必要不可欠です。コンテンツを作成するとき、取り入れたいキーワードの検索ボリュームや類似しているクエリの抽出など、判断材料を得られます。
キーワードの選定や見出しを抽出するのに役立つツールは次のものが便利です。
- Googleキーワードプランナー
- ラッコキーワード
タイトルを決定する
SEOライティングを始めるとき、タイトルにはキーワードを加えて決定していきます。タイトルのキーワードはなるべく前方に入れるようにして、一目見てキーワードが盛り込まれた状態で表示されているのが重要なポイントです。
検索結果で表示されるタイトルの文字数はパソコンだと30字ほどで、スマートフォンなどのモバイル端末では文字数が異なっています。タイトルは30字ほどで設定しておくのがベストです。
導入文を書く
導入文はタイトルの下に入る文章で、コンテンツを閲覧するユーザーが初めに読む文章です。最初に読まれる文章なので、キーワードを必ず盛り込んで書くと効果的だといわれています。記事の内容全体がわかるような文章にするのが重要です。
見出しの設定などマークアップを活用する
SEOライティングでは、HTMLを正しく使うことも重要です。Googleはコンテンツの中身をチェックする際に、HTMLのマークアップをチェックしています。
マークアップ | 意味と効果 |
title | タイトル |
h | 見出し |
ol、ul | 箇条書き |
p | 段落 |
a | リンク |
blockquote | 引用 |
img | 画像貼り付け |
table | 表の挿入 |
titleタグ
titleタグを使用すると、Googleのクローラーはtitleタグ内に書かれている文字をタイトルだと認識します。
h1~h6タグ
hタグは見出しのタグでh1大見出し(タイトル)、h2中見出し、h3小見出しの順番で使用してください。検索エンジンのクローラーに記事のなかに見出しがあると伝える役割を果たします。hタグで見出しを設定すると検索エンジンが、記事の構図を正しく理解し評価できます。hタグにも不自然にならない程度に関連キーワードも含めて、キーワードを盛り込んでおきます。
ol、ulタグ
olとulタグを使うと、検索エンジンは文字が箇条書きで掲載されていることを認識します。
pタグ
段落の設定には改行ではなく、pタグを使用するとクローラーは段落が設定されていると認識します。
aタグ
aタグはリンクを貼るときに使用します。<a href=””></a>で設定可能です。
blockquoteタグ
blockquoteタグは、ほかのサイトや参考資料から引用した部分を、クロールに認識させるタグです。
imgタグ
画像を貼りつけするときに使用するタグです。imgタグの中にはalt属性という画像を説明するタグが含まれます。altに画像の内容をテキストで入力することで、目の不自由な人がコンテンツを閲覧したときに画像の内容を理解できるようになります。
tableタグ
tableタグは表を挿入するときに使用します。コンテンツの内容が文字だけだと、ユーザーは文章が読みづらい印象を受けます。表を挿入すると文字だけではなく読みやすい記事として認識されます。
コンテンツ内容を重視する
コンテンツの本文はSEOライティングに限らず、ライティングの基本的なルールを守るのは同じです。SEOライティングで重視する内容を5点紹介します。
- ユーザーが知りたい内容を早めに回答する
- キーワードを必要以上につめこまない
- 専門用語はなるべく使わない
- 図表や箇条書きを使い、読みやすさを意識する
- 信頼性のあるリンクを設置する
ユーザーが知りたい内容を早めに回答する
ユーザーは検索して記事にたどりついたとき、結論を早めに知りたいと考えています。ユーザーが知りたい内容=結論を早めに記載することで、ユーザーの離脱を防ぐ効果が期待できます。
キーワードは必要以上につめこまない
選定したキーワードはタイトルや導入文および本文でも使用するのを推奨します。ただ、キーワードを盛り込むことで、前後の文脈の理解ができなくなる場合などは無理に使用しなくてもかまいません。
ユーザーが読んで理解できる文脈であることが重要です。不自然にならない程度にしてください。
専門用語はなるべく使わない
専門用語はユーザーによっては理解できない可能性が高いため、ユーザーが理解できる言葉を使って書きます。書き換えが難しい場合は説明の追加や関連記事のリンク設置を検討してユーザーが理解できるような記事にしてください。
専門用語以外にも、あれ、それといった代名詞も読みづらい文章の原因になるので使わないのがベストといえます。
図表や箇条書きを使い、読みやすさを意識する
記事を執筆するときテキストが書かれた文章のみだと、読むのに時間がかかります。要点を先に知りたいユーザーには、読みづらい文章を見たら離脱してしまうこともあります。
文章の一部を画像や箇条書きでまとめると要点を把握しやすくなるだけでなく、検索エンジンも箇条書きを把握してクロールしているのです。
信頼性のあるリンクを設置する
SEOライティングでは独自性や専門性のある記事が求められます。とはいえ、記事は独自性があっても専門性があり信頼できる内容でなくてはなりません。
記事の内容によっては公式サイトが発表している情報への外部リンクを設置し、参照できるようにすることで信頼性の高いサイトと評価されます。外部リンクのみではなく内部リンクを設置するのも有効な手段です。内部リンクを適切に設置すると検索順位の向上にもつながるのです。
SEOライティングの注意点
SEOライティングの注意点としては、記事を執筆するときのライティングの注意点とほぼ変わりません。
- ライティングでの注意点
- 検索エンジンでの注意点
ライティングでの注意点
SEOライティングの場合でも、ライティングするときの注意点は変わりません。
- 著作権を遵守しているか
- 誤字・脱字していないか
- 内部・外部リンクでリンク切れをおこしていないか
- 表記ゆれはないか
それぞれWebメディアに限らず、記事を掲載するにあたって必ずチェックしている項目です。それはSEOライティングにおいても変わりません。
検索エンジンでの注意点
検索エンジンはつねにアルゴリズムをアップデートしています。2019年12月10日のアップデートは「BERTアップデート」と呼ばれており、文脈の理解度が向上しています。
クローラーが巡回する際に文脈を理解して読み取るので、検索意図を理解した文章を書く重要性が今後も増していくということです。Googleのアップデートはつねに動向を把握して対応する必要があります。
まとめ
SEOライティングはSEOという言葉から難しいイメージを持たれてしまいますが、ライティングのルールはシンプルです。ユーザーが記事を読んだあと、役に立つ情報が掲載されているかを考えていくと自然にGoogleなど検索エンジンが認める良質なコンテンツになります。
ユーザーがどのように検索するのか意図を理解しコンテンツを提供してください。Googleのような検索エンジンが、サイトを独自性、専門性、権威性のある良質な記事として評価されるようにマークアップの活用やリンクや参照を使用して、コンテンツの上位表示をめざしてください。